日本財団 図書館


 

は、これで終わりということがないように思えます。患者は、ヘッドから椅子への移動にも他人に依存することがあります。患者の膀胱を空にすること、あるいは便通があるようにすることが一日の最も重要な仕事になるかもしれません。
悲嘆、うつ、急性免疫抑制-介護者(家族と専門家の両方)は、末期患者への感情的愛着をもち、そして患者の死のプロセスへ関わる間と後に、その影響で苦しむことになるかもしれません。死と別離の間に家族自身が病気になるかもしれません。スタッフメンバーは自らの健康を保つことの困難さに気づくでしょう。
未解決の前悲嘆体験-人の死が他の死の記憶を再び思い起こさせ、そして当時解決しなかった問題を浮き上がらせます。
死の不安-患者の死への関与が自分自身の死についての不安をかきたてます。
自由を奪われた悲嘆-専門の介護者は1人以上の患者の責任をもつことになります。彼らは、他人のケアを継続して行わなければならないために、自らの悲嘆の表現を否定する必要があるかもしれません。さらにたいへんなのは、社会が彼らの悲嘆の表現を否定するかもしれないことです。彼らは、患者の家族の一員ではありません。なぜ、彼らが悲しまなければならないのでしょうか。しかし、静かに自分だけで悲しむのです。
隔離-介護者は孤独になり、自分の仕事に感謝されていないと感じるかもしれません。非常に困難な仕事を果たすなかで、捨てられたと感じるかもしれません。
失敗-死のある面は人に失敗したという感じを与えます。介護者の能力も影響を受けます。彼らはケアのある面が達成されていないという罪悪感を感じるかもしれません。別の時には、必要がなかった、あるいは効果がなかったと思われた行動について後悔するかもしれません。
これで、ストレス要因のすべてを検討したわけではありませんが、おそらくこのことはストレスがあるということ、回避できないということを思い起こさせるのには十分です。各状況でそのストレスの大きさに相違があります。各介護者はストレスをおのおの違うように体験します。
私たちは、末期患者のケアのためのストレスにどのように対処することができるのでしょうか。ここにホスピス介護者と研究者によって学んだものを簡単に検討します。
ストレスが生じるということを、家族や新しいスタッフや学生に教えることは重要なことです。これは、ストレスによって生じる重大な結果を防ぐための予防接種として考えることができます。ストレスの要因は現実的に評価されなければなりません。それは家族にとって死が愛する者のためには肉体的にはどのようなものであるかについて話し合うことを意味します。死がどのように起こるか、そして最も恐ろしいことが何であるかの説明は、最悪の出来事のための準備となります。スタッフと学生は、どのように個々の患者が死ぬのか、そして彼らが経験する感情について自由に議論すべきです。
家族とスタッフメンバーは、ストレスに対する個人的なアプローチを評価すべきです。彼らがしばしば不適切な反応、すなわち過食、働きすぎ、飲食、麻薬、危険な行動(スピード運転)、安全でないセックス等に走っていないか。
効果のない対応法に代わる適切なストレス解消

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION